米・独立記念日の休暇期間、米国人旅行者数が過去最多に、航空運賃下落で欧州が人気、行き先は遠距離と近距離の二極化

写真:ロイター通信

2025年7月4日、米国の独立記念日の休暇期間中に旅にでる米国人旅行者数が過去最多になる見込みだ。アメリカ自動車協会(AAA)の旅行手配部門は、この期間に約7220万人が8日間で50マイル(80キロ)以上移動すると予測。昨年と比べて、車を利用する旅行者は約130万人、飛行機での旅行者は約8万人増加する見込んでいる。

米国人にとって、今、最も割安な旅行は国外への旅行だ。国際線の平均航空運賃は1年前と比べて大幅に下落している。トランプ大統領の政策の影響で、特に欧州から米国への旅客数が減少しているため、航空会社が需要にあわせた値下げを行っている。

米国で人気の旅行予約アプリ「ホッパー(Hopper)」によると、この期間の米国国内航空運賃は1年前と比べて約3%下落している一方、欧州とアジア行きの航空券は13%も安くなっている。また、独立記念日の週末の国内ホテル料金は1泊平均213ドル(約3万700円)で、2024年の1泊232ドル(約3万3400円)から8%下落している。

ロイター通信が米国内の旅行会社に取材したところ、今夏、顧客の一部は割安な欧州を選ぶ傾向が強く、国内旅行者は車で行くことができる目的地を優先しているという。ある旅行会社は、ポルトガルへの航空運賃について、2023年はエコノミークラスで往復3000ドル(約43万2000円)近くしていたが、現在は875ドル(約12万6000円)から1500ドル(約21万6000円)になったと明かす。

ユナイテッド航空は、独立記念日を含む10日間の旅行者数が50万人増加し、国際線の予約数は前年比5%増と予想。アメリカン航空も、10日間の旅行者数が5%増加すると予想している。

エクスペディアグループのバケーションレンタル部門Vrbo(バーボ)のデータによると、今年は間際予約が増加。今夏は出発の1ヶ月以内にバケーションレンタルを予約する旅行者が15%増加していると明かす。

旅行会社によると、インフレと経済状況に対する懸念があるにもかかわらず、消費者の旅行意欲は依然として高いという。しかし、行き先は経済的に余裕のある人が飛行機で行く遠距離と飛行機でなく車で行く近距離で二極化している。

※ドル円換算は1ドル144円でトラベルボイス編集部が算出

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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