ANA、売上高が過去最高に、インバウンド需要で国際線が好調、一方で国内線はビジネス客戻らず苦戦

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ANAは、2026年3月期第1四半期決算を取りまとめた。それによると、売上高は過去最高の5487億円を計上。人件費や外部委託費などの営業費用が前年より増加したものの、営業利益は前年比21%増の367億円となり、2023年度に次ぐ過去2番目の高水準となった。経常利益は同2.5%減の359億円、四半期純利益は同7.1%減の230億円を計上した。

航空事業の売上高は同5.8%増の4968億円。営業利益は同6.8%増の354億円。国際線旅客では、好調な訪日インバウンド需要に加えて、日本発のレジャー需要やビジネス需要を積極的に取り込み、欧州新規3路線(ミラノ、ストックホルム、イスタンブール)も搭乗率8割と好調に推移。その結果、旅客数は前年から9.6%増の207万人、収入は8.8%増の2062億円となった。

また、国内線旅客は、レジャー需要の早期取り込みを強化したことなどによって、旅客数は同4.7%増の1024万人、収入も同6.8%増の1619億円となった。ただし、コロナ禍前と比較してビジネス需要は回復していない状況。費用も増加しているため、国内線事業では利益を出すことが厳しい状況にある。国土交通省の「国内航空のあり方に関する有識者会議」の議論も踏まえて、国内線事業の構造的な課題に対して、官民一体となって取り組んでいくとしている。

傘下のLCCピーチ(Peach Aviation)については、国内線のレジャー需要が堅調に推移したことなどから旅客数は同0.1%増の221万人と微増したが、収入は同4.5%減の292億円の減収。AirJapanは、旅客数が同49.5%増の10万7000人、収入が同51.2%増の29億円。

旅行事業は、海外旅行がハワイ方面を中心にした需要取り込みによって取扱高が増加。国内旅行は、ダイナミックパッケージ商品の集客が伸び悩んだことなどから取扱高が減少した。

2026年3月期の連結業績予想は、売上高2兆3700億円、営業利益1850億円、経常利益1750億円、当期純利益1220億円を据え置く。

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