
菓子メーカー、プロ野球球団経営で知られるロッテホールディングスは、韓国ロッテコーポレーショングループのホテルロッテと共同で、新会社「LOTTE HOTELS JAPAN(ロッテホテルズジャパン)」を設立した。訪日インバウンド市場のさらなる拡大を見据え、韓国最大のホテルグループとして50年の歴史や韓国人旅行者からの高い認知度を強みに日本でホテル事業を拡大していく。
新会社設立の発表会見で、ロッテホールディングス代表取締役社長の玉塚元一氏は、新会社の設立の経緯について、同社グループが日本、韓国の各種事業連携を推進する「ONE LOTTE(ワンロッテ)」戦略の一環であることを説明。この戦略は「日本と韓国で共同できる領域に焦点を当て、成長に資する事業をおこなうもの」であるとし、「日本のホテル事業に本気で取り組んでいきたい」と意欲を示した。また、活況の訪日インバウンド市場を踏まえ、「もっと早くやるべきだった」ともコメントした。
ロッテホールディングス代表取締役社長の玉塚元一氏
新会社では、現在運営している直営2ホテルに加えて、全国のホテルオーナーとのパートナーシップによる運営受託、賃貸借を軸に事業を拡大する方針。今後10年間で、日本国内で20軒4500客室(既存の2ホテル含む)の展開を目指す。ロッテホテルズジャパン代表取締役社長 福井朋也氏は、開業する都市の選定について、「都市力」「観光力」の高いエリアを選定する方針を示し、東京、大阪、沖縄では直営による旗艦ホテル、このほかに札幌、金沢、福岡などでの出店を視野に入れていることを明かした。
ロッテホテルズジャパン代表取締役社長 福井朋也氏
世界展開を加速、高級路線を強化、日本でも
現在、ロッテグループは、世界7カ国で、ラグジュアリーからレジャー向けリゾートまで計39ホテル、1万4135客室を展開。日本では、ロッテシティホテル錦糸町(東京都)、ロッテアライリゾート(新潟県)を運営している。
ホテルロッテのジョン・ホソクCEOは、今後の展開について「グローバル企業として、そろえるべきポートフォリオを取り揃えていく」との方針を示した。そのうえで、特にラグジュアリー分野を細分化し、日本ではコンパクトなスモールラグジュアリー(単価5万~10万円)ホテルを発表する計画も明らかにした。今後、新しいコレクションブランドを含めて合計8つ以上のブランドを追加する計画をしており、世界展開を加速していく考えだ。
ホテルロッテのジョン・ホソクCEO