HIS、2025年10月期通期予想を下方修正、トルコ連結子会社の縮小で、第3四半期の旅行事業の売上高は13%増

エイチ・アイ・エス(HIS)は、2025年10月期通期の連結業績予想を下方修正する。売上高3900億円、営業利益120億円、経常利益110億円は据え置くものの、純利益は前回予想の77億円から65億円に修正した。

トルコの連結子会社「HIS ULUSLARARASI TURIZM SEYAHAT ACENTASI LIMITED SIRKETI」の業績悪化によって、BtoB取引を含むアウトバウンド事業の縮小を決定。これに伴い、発生が見込まれる特別退職金などを特別損失に計上する。

HISは、あわせて2025年10月期第3四半期(2024年11月1日~2025年7月31日)の連結決算も発表。売上高は前年同期比12.2%増の2663億円、営業利益は同20.4%増の62億7000万円、経常利益は同16.1%増の60億5000万円となった。

四半期純利益については、連結子会社「HIS ULUSLARARASI TURIZM SEYAHAT ACENTASI LIMITED SIRKETI」の事業縮小に伴い、事業整理損失引当金繰入額を特別損失に計上したことで、同50.2%減の17億8000万円となった。

また、第3四半期の個別決算では、前期以前に計上していた貸倒引当金を取り崩し、貸倒引当金戻入額13億6600万円を特別利益として計上。一方、「HIS ULUSLARARASI TURIZM SEYAHAT ACENTASI LIMITED SIRKETI」の事業縮小に伴い、株式を減損したことで、関係会社株式評価損16億7700万円を特別損失として計上した。

旅行事業の売上高は13%増、ハワイ・ミクロネシアで回復傾向

第3四半期の旅行事業の売上高は同12.9%増の2191億6000万円、営業利益は同9.0%増の47億3100万円、EBITDAベースでは同4.0%増の77億5300万円の利益となった。中核の海外旅行事業では、欧州・中近東への集客が好調に推移したほか、前年と比較し燃油サーチャージの引き下げや、米ドルが円高傾向にあることから、ハワイ・ミクロネシアで回復の傾向がみられた。一方で、送客数を牽引する韓国では、政治情勢や、LCCを中心とした減便の影響などから伸び悩んだ。

ホテル事業では、各国の宿泊市場の着実な回復で、稼働率・客室単価ともに前年同期より上昇がみられた。売上高は同9.6%増の188億3500万円、営業利益は同13.7%増の29億7700万円、EBITDAベースでは同6.1%増の60億1100万円の利益となった。

九州産交グループでは、主要事業である高速バス、貸切バス、航空代理店、飲食物販事業が好調に推移。売上高は同5.5%増の189億100万円、営業利益は同75.8%増の6億1900万円、EBITDAベースでは同16%増の19億600万円の利益となった。

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