HIS、子会社で新たな雇調金の不正受給、すでに1億8400万円を返還、再発防止策の進捗を発表

エイチ・アイ・エス(HIS)は、パンデミック時に国が支給した雇用調整助成金の不正受給にかかる調査で、連結子会社ツアー・ウェーブ社が不正受給と判断されたことを発表した。

宮城労働局の調査で、特別休業日に一部就労していた事実が判明。雇用調整助成金を不正に受給したと判断され、2025年8月14日付で雇用調整助成金の支給決定取消、返還通知書を受け取った。同社は2025年9月1日付で、違約金および遅延金を含む1億8400万円をすでに返還している。

これを受け、ツアー・ウェーブ代表取締役社長の月額報酬を2025年10月~12月までの3ヶ月間30%減額する。

再発防止策の進捗

HISでは、同社グループが受給した雇用調整助成金などで不正・不適正な受給があったことに対して、再発防止に取り組んでいるところ。9月12日現在の進捗状況を公表した。

コンプライアンス意識の醸成では、労働法規や労務管理に関する研修を継続的に実施しているほか、教材・コンテンツを活用したメールマガジンなどを月に2回テーマを変えて配信している。

グループガバナンスの強化では、子会社管理体制を見直し、長期的なグループガバナンスの高度化を継続推進。さらに、親会社と子会社間のコミュニケーション強化を進めている。

公的助成金の申請における内部統制の見直しでは、国内子会社での助成金申請の管理や親会社への報告に関するルールを明確にしたほか、親会社の公的助成金については、申請、管理に関する内部統制を含む業務フローを構築した。

労務管理の徹底では、グループ全体へ月1回の定期的な情報発信や啓蒙活動を継続。現存の外部相談窓口では、取締役監査等委員が社内対応を行う新たな運用を2025年9月に開始した。

内部監査体制の見直しでは、独立性と権限を強化したうえで、段階的に人員も増強。データ分析活用による不正監査の見直しを進めている。

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