オリックスホテルズ、中長期滞在型ホテルで新ブランドを立ち上げ、2026年に浅草に1号店開業へ、地域交流の仕掛けも

オリックスグループのホテル運営会社であるオリックス・ホテルマネジメントは、新ブランド「CROSS Suites(クロススイーツ)」を立ち上げ、2026年夏に浅草で1号店を開業する。

同社の「CROSS HOTEL」とそのカジュアルラインの「CROSS Life」の系列ブランドで、ライフスタイル・アパートメントホテルとして展開。国内外のグループ旅行客や中長期滞在の客層をターゲットとする。1号店の開業により、同社の展開する直営ブランドは、6ブランド15施設に拡大する。

同社は現在、28施設・6717室を運営しており、10年以内に1万室規模へ拡大する方針を掲げている。発表の記者説明会で取締役社長の似内隆晃氏は「ポートフォリオを拡大していく方針で、今回の新ブランドの立ち上げもその戦略の1つ」と説明。建築費の高騰で新築案件が難しい中、「今、ホテル売買が活発でチャンスが多い」と話し、グループ内での開発・運営のみならず、運営受託やリノベーション案件の獲得を強化する方針を示した。

新ブランド1号店となる「クロススイーツ東京浅草」も、2022年に営業終了した「ヴィアイン浅草」をオリックス不動産が取得し、オリックス・ホテルマネジメントが運営するリノベーション案件となる。

長期滞在と交流の体験価値で差別化、思い出づくりの“仕掛け”も

浅草の1号店は全78室。アクセシブル客室1室を除き、最大3~6名で利用できる客室を揃え、キッチンやランドリーを備えた客室やコンセプトルームも用意。国内外の家族・友人同士のグループや、海外を中心とする中長期滞在客の利用を想定する。同社がブランドのターゲットとして海外客を明確に掲げるのは初めてのことだ。

セールス&マーケティング部副部長の大谷敏史氏は、同社が2010年~2025年8月までアパートメントホテル「ハンドレットステイ東京新宿」を運営し、欧米豪を中心とする3名以上のグループ利用などで85%超の稼働率を獲得してきたことを説明。「この実績を生かせる」と自信を示した。

アパートメントホテルの開業が増える中、同ブランドは、滞在そのものが出会いと発見の体験価値となるホテルを目指す。ラウンジではゲスト同士が交流できる設えに加え、地域文化の紹介や参加型イベントも実施する。スタッフは全員が「モーメントメーカーズ」と称し、出会いやゲスト同士の交流、体験を創出して、思い出作りのサポートをする。

同ブランドを担当するセールス&マーケティング部マーケティング課主任の結城亜寿香氏は「地元の人と交流しながらコンテンツを作っていく。地域の飲食や商店の紹介、地域の商店で購入した食材で館内調理する体験なども提供したい」と説明。同社の各直営ブランドで取り組んでいる地域共創のノウハウを生かし、地域事業者に声掛けをしていく方針だ。

ラウンジ「Hang Out@CROSS suites」。地元のアーティスト作品などで地域とのつながりを演出。浅草が発祥ともいわれる招き猫がモチーフのアートも

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