英国のドラマ・映画ゆかりの地を新たな旅のテーマに、英国政府観光庁が積極的な取り組みへ

英国政府観光庁(VisitBritain)は、日本国内で今後さまざまな英国関連のテレビドラマや映画の放送が予定されていることから、英国への旅の「新しいテーマの一つ」としてPR活動を行っていく。ターゲットは30~40代の女性と、活動的なシニアだ。

2014年5月からは、日本で英国のテレビドラマ『ダウントン・アビー(Downton Abbey)』第1シーズンと『シャーロック(Sherlock)』第3シーズンがテレビ放映された。英国政府観光庁は、日本国内で英国のドラマや英国人俳優の人気が高まっているとみており、旅行業界向けのセミナーなどを通じてドラマや映画に関する最新情報を発信している。

同庁の日本事務所は、7月上旬に業界向けセミナーを国内3カ所で開き、130人以上に情報提供を行ったほか、 7月21日にはロンドンでJTB ヨーロッパ、HIS ヨーロッパ、ジャルパック、ミキ・ツーリストなど同地に拠点を置く日本の旅行業界関係者を対象に「グレート・ツーリズム・ウィーク」フォローアップセミナーを開催。 30~40 代の日本人女性とシニア層市場をターゲットにした英国のテレビドラマと映画ゆかりの地を紹介した。

英国政府観光庁のキース・ビーチャム氏は、「ロンドンに拠点を置く日本人旅行業関係者は、東京における意思決定者の『現地の目』。英国観光の知識共有の機会を提供し、定番のルート以外のツアーの幅を広げる必要性を理解してくれた。長期的にみても、さらに多様な英国ツアー商品を造成するのに役立つでしょう。その結果、観光客も増加するだろう」とコメントし、セミナーに手応えを感じている。

日本では、9月末からNHKの朝の連続ドラマで、スコットランドでウィスキーの蒸留を学んだ竹鶴政孝氏とスコットランド人のリタ夫人がモデルと『マッサン』の放送が開始する。2014年の年末から2015年初旬にかけては、映画『パディントン(Paddington)』が公開される予定となっている。映画会社のスタジオカナルによると、くまのパディントンに対する「親世代の一般認知度」において、日本では69%と他国に比べて高いという結果が出ているといい、英国旅行のきっかけと現地での観光消費額拡大につながる可能性があるとして、同庁では期待を寄せている。

なお、過去5年間で日本から英国を訪れた人数は年間平均 23万1800人、訪問1回当たりの消費額は1024ポンドで、消費額は全世界の市場平均のほぼ2倍となっている。

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