NTT東日本、AI活用の翻訳機能を提供開始、文化観光施設向けで

NTT東日本は、文化観光分野に特化したAI翻訳サービス「ひかりクラウド cototoba」の提供を開始した。同分野に係る頻出フレーズ、単語を独自に制作・収集し、大量に機械学習をさせ、翻訳制度を向上させた。デジタルコンテンツ制作を行なうパートナー企業に翻訳機能をAPI提供し、その企業がコンテンツと多言語をセットで文化観光施設に提供する。第一弾として凸版印刷が、同社の観光事業者向け翻訳サービスに導入する。

具体的には、NTT東日本のAI翻訳エンジンと、エンドユーザー(観光施設)特有の言い回しや固有名詞を事前に登録できる翻訳メモリ機能を搭載。これにより、翻訳結果のゆらぎを抑えることが可能になる。

これを、デジタルコンテンツ制作を行なうパートナー企業にAPI連携し、多言語翻訳とウェブサイトやアプリ、サイネージなどのデジタルコンテンツをセットで提供することで、文化観光施設にワンストップでの多言語ソリューションを提供できるようになるという。

NTT東日本発表資料:cototoba概要

凸版印刷が同サービスを導入するのは、観光地や宿泊施設、店舗などの観光事業者向け翻訳サービス「ジャパリンガル」。NTT東日本の「cototoba」に、凸版印刷が培ってきた翻訳サービスのノウハウを融合させた。AIによる機械翻訳と翻訳者による校正を組み合わせ、低価格な翻訳サービスを実現する。

例えば、観光施設側はパンフレットやホームページなど翻訳を希望する原稿を、ウェブ上で24時間いつでも依頼が可能で、原稿はcototobaが機械翻訳する。その訳文を、世界各地の契約翻訳者がクラウド上で校正するという仕組みだ。これにより、多言語化のコストを、文字単価約15円の人手翻訳と比較し、最大で約50%に削減するという。Cototobaを活用したサービス提供は、2017年9月1日からの開始を予定する。

凸版印刷発表資料:ジャパリンガル概要

cototobaの対応言語は、テキスト翻訳は英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、フランス語、スペイン語の6言語。翻訳メモリは英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語の4言語で、フランス語、スペイン語も順次対応する。

一方、ジャパリンガルの対応言語も英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、フランス語、スペイン語の6言語。価格は月額固定で4万2500円~。今後、凸版印刷ではサービスの拡販やラインナップ拡充を推進し、2020年度に売上高約5億円を目指していく。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…