handy Japanに元HIS社長の平林氏が参画した背景は? その出会いからタビナカで描く未来図まで聞いてきた(PR)

2017年7月からホテル向けに無料スマートフォンのレンタル事業を開始したhandy Japan。立ち上げから1年で24万室への導入を達成し、2018年7月2日には、ソフトバンクとの資本提携および業務提携を実現した。そしてこのほど、国内で攻勢を強める同社に旅行のスペシャリストである平林朗氏が加わった。handy Japanが描く旅行業の未来を聞いた。

前エイチ・アイ・エスと前ブッキング・ドットコムのキーマンが握手

平林朗氏は9年間に渡り、エイチ・アイ・エスの代表取締役社長として同社をけん引してきた「旅行業のスペシャリスト」だ。そんな平林氏が、旅行業とは大きく異なる世界でビジネスを展開するhandy Japanが新たに立ち上げるトラベル事業 handyTravelのCEOとして7月13日付で就任した。新たな世界でのチャレンジとなることについて、平林氏は「今はとてもワクワクした気持ち」と語る。

トラベル事業のCEOとしての就任は、handy JapanのCEOである勝頼博則氏からの熱烈なラブコールにより実現したもの。2人の出会いは、勝瀬氏がブッキング・ドットコムで日本地区リージョナルマネージャーを務めていた時代までさかのぼる。当時エイチ・アイ・エスの社長だった平林氏が「何か一緒にできることはないだろうかと、いろいろ教えてもらおうと思いブッキング・ドットコムのオフィスに出かけていった」のが始まりだった。勝瀬氏は第一印象を「考え方が柔軟、フットワークが軽く、思慮が深い方だと感じた」と振り返る。その後もメールのやりとりなどが続き、勝瀬氏はブッキング・ドットコムを去った後も折に触れて平林氏に相談したり旅行業の未来について語り合ったり、良好な関係が続いていた。

そして昨年、handy Japanが約半年間で目標の20万室超の導入を実現すると、勝瀬氏は平林氏へ猛アタック。「以前、語り合ったようなビジネスが実現できそう。最初に会ったときから一緒に仕事をしたいと思っていた。3年越しでそれを実現したい」と思いの丈をぶつけ、その熱意に応えて首を縦に振った。前ブッキング・ドットコムと前エイチ・アイ・エスのキーマン同士が握手する姿は、時代の転換を示す1つの象徴として非常に強いインパクトを持っている。

勝瀬氏(左)の熱烈なラブコールにより実現した

既存のホテル設備がhandyによって統合されていく可能性も

勝瀬氏はhandyの特長を「ホテルIoT、旅行代理店、メディアという3つの軸が1つになったもの」と語る。

このうち「ホテルIoT」では、PMS(ホテル管理システム)と連動させることで、ルームキーや照明や空調などのルームコントロール、チェックイン・チェックアウト、精算などをhandy端末で行えるようになる。ホテル客室にある既存の設備と置き換えられたり、またはその代用となり統合されたりする可能性もある。勝瀬氏が「handyはホテルのスマートルームなどですべてのものをつなぐことを前提に設計されている。それらを提供する会社とコミュニケーションのプロトコルを処理すればよいだけ」と語るように、技術的な障壁は非常に低い。

平林氏はhandy Japanでの業務以外にもホテル事業に携わっているが、10月下旬に東京にオープンする予定のホテルは、「handyが今後拡張する機能を盛り込んだ第1号ホテルとなる」という。このホテルではhandyとPMSを接続するが、PMSには宿泊客のパスポート情報からクレジットカード情報まで入っているため、あらゆるものを部屋付けにしてチェックアウト時にまとめて精算することが可能となる。また、handyがPMSとつながるということは、「handy上でチェックインもチェックアウトもできることを意味する」ため、利用客に対し高い利便性を提供できる。

「ホテルを中心に旅行者に必要なことすべてがhandyでできる時代が来る」と話す勝瀬氏

ホテルを起点とした「handy経済圏」の実現へ

handyの「旅行代理店」としての機能について、勝瀬氏は「手の平に乗る旅行代理店」と表現する。ホテルでは今まで販売していなかった、もしくは旅行者がタビナカで見つけるのが難しかった旅行商材を、客室にいながら、もしくはhandyを外に持ち出しているときに探し、購入することができる。

OTAを含めた現在の旅行業界はタビマエ市場で競争しているケースが多く、タビナカ市場での成功事例はまだ少ない。平林氏は「日本は世界のどの国とも比べ物にならないくらい、タビナカのコンテンツが抱負だ」と語るが、旅行中の人たちへのタッチポイントを確立しきれていないことが、タビナカ市場の難しさにつながっている。

そのような状況だからこそ、handy Japanはタビナカ市場を狙う。ホテルを起点として動く旅行者の身の回りに起きるすべてがhandyとつながることが、目指す姿だ。例えば都内のホテルに滞在する期間中に、1日は日帰りバスツアーに参加して富士山に行くことも可能だが、「旅行者とこれらのツアーは意外とつながっていない」と指摘する。

また、平林氏はhandyの特性を「旅行代理店の機能を持ったコンシェルジュ」と表現する。ホテルのコンシェルジュは旅行会社に近い仕事をしているが、あくまでも宿泊料金に含まれたサービスの範囲を出ることはない。しかし、handyによってホテルがタビナカ商品の販売に携わると、その収益も変わってくる。宿泊特化型ホテルで有人サービスの簡素化や廃止が進むなか、こうした新技術を活用することは、ホテルのサービス付加と収益向上につながる。

そして、長く旅行業に携わりタビナカ攻略の難しさを知り尽くしている平林氏は、「旅行会社にはhandyのプラットフォームをどんどん活用してもらい、タビナカ市場で成功してほしい」と期待する。

ホテル近辺の飲食店なども含め、旅行者による地域の活性化を考えた時、起点となるのはホテルである。ホテルを起点とし、さまざまな事業者の売上につながる「handy経済圏」の確立こそ、目指すタビナカ市場攻略の将来像と言えるだろう。

平林氏は「handyは今後タビナカ市場での必須アイテムになる」と話す

災害時の安否確認と情報提供にも貢献

handyの特長の1つである「メディア」の部分では、既存の旅行会社などがリーチしにくいタビナカ市場にアプローチしやすいという強みがある。なぜなら、客室内の目に付く場所にhandyが置いてあり、お得な最新情報があればリアルタイムでそれを宿泊客に伝えることができるからだ。外国人旅行者の視点に立てば、これまで見つけにくかった地域の魅力などが見つけやすくなる。これを逆手に取れば、地域のDMOや観光事業者は広告をhandy上に出稿することで、タビナカの旅行者にアプローチすることが可能になる。

また、災害時の安否確認と情報提供にもメディアとして寄与する。6月に発生した大阪北部を中心とする地震の際には、関西エリアの端末にメッセージを配信。そのうち半数が開封されて災害情報への誘導につながった。開封したのはほとんどが外国人だったという。今後ますます外国人旅行者が増えるなか、災害時などに外国人旅行者へどのように情報を伝達するかという課題が顕在化しつつある。handyの導入は、これを解決する一助になる可能性が高い。

新しいデバイスによる新しい提案が観光立国を後押し

handy Japanのオフィス。開放的で明るい雰囲気

handy Japanは営業スタッフだけでなく経理からオペレーションのスタッフに至るまで、文字通りの全員営業により立ち上げからわずか半年で国内ホテル23万室への導入を実現。現在は24万室へとシェアを拡大している。

しかし、当初は人数が少なかったこともあり、効率性の観点から営業を展開したのはチェーンホテルだけだった。7月2日に発表したソフトバンクとの提携により、今後は全国のソフトバンクの法人営業チームが営業を推進することになるため、さらなるシェアの拡大は必至だ。「地方の旅館や簡易宿泊施設など、我々だけでは営業できなかったところが含まれる。ほかにもレンタカーや観光案内所など、さまざまな観光事業者の方が使うことを想定している」と勝瀬氏は大きな期待を寄せる。

handyの本質は「人と物とビジネスをつなぐこと」(勝瀬氏)であり、決して「新しいものを発明しているのではない」(同氏)。handyが展開しているのは、新しいデバイスを使って今までにない新しい方法、便利な方法、コストのかからない方法の提案である。

このため、現在さまざまなシステムが個別に入っているホテルのシステムは、handyによって統合され、ホテルのトータルコストは下がっていく可能性がある。また、城崎温泉のような「地域ホテル」という考え方もhandyを導入することで比較的容易に実現可能となる。すべての客室に導入されることになれば、地域通貨の導入も実現可能だ。

また、付加価値として、ホテルは宿泊客の行動を解析したデータを取得できるメリットがあるが、ソフトバンクとの業務提携により、ビッグデータを活用した詳細な分析が可能になる。各端末から得られた情報をもとに、今後は新しいサービスや既存サービスの強化策などをホテルに提案していくこともある。さらにはDMOのプロモーションや飲食店の広告戦略など、地域への貢献にもつなげたい考えだ。勝瀬氏は「このたび平林氏という旅行業のスペシャリストにディシジョンメーカーとして加わってもらったこともあるので、ぜひ、そういうお手伝いをしたい。なぜなら、それが我が国の観光立国につながるからだ」と力説している。

なお、ソフトバンクグループ最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2018」が7月19、20日にザ・プリンス パークタワー東京で開催される。handy Japan CEOの勝頼博則氏は7月20日14:30〜15:10の基調講演に登壇。「旅マエ、旅ナカ、旅アトの観光総合プラットフォーム~handy~の目指す事業戦略」について講演。handyTravelのCEO平林朗氏も登壇する予定だ。

【SoftBank World 2018 開催概要・申込み】

  • 【日 程】2018年7月20日(金)/14:30〜15:10

  • 【参加費】無料(事前登録制)

  • 【対 象】法人勤務の方

  • 【会 場】ザ・プリンス パークタワー東京

  • 【主 催】ソフトバンク株式会社

  • 【申込み】https://softbankworld.com/sess/detail/B2-1

広告:handy Japan


URL:http://handy-japan.com/future
問い合わせ先:info@handytravel.co.jp

記事:トラベルボイス企画部、REGION

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