民泊エアビー、国内旅行の需要喚起に本腰、直近の予約は「自宅近く」「一棟貸し」が好調

エアビーアンドビー(Airbnb)は、国内旅行需要の喚起を目的とした「Go Near-身近にある、特別な旅」キャンペーンを2020年6月30日から開始する。コロナ禍では、国内旅行市場から回復すると見られることから、日本人旅行者による国内宿泊先の利用を促進していく。

Airbnb Japan代表取締役の田邉泰之氏はオンライン会見で、国内旅行のトレンドとして近場、3密回避、長期滞在を挙げたうえで、「車ですぐに出かけられる旅先や家族や友人とゆったり過ごせる旅先、プライベート空間が保てる一棟貸し切り、あるいは1ヶ月以上の滞在者向けにニューノーマルな滞在を提案していく」とキャンペーンの趣旨を説明した。

キャンペーンでは、同社ホームページ上でユーザーの居住地から近いエリアを全4回のテーマで展開。第1弾では、自然の中での滞在、グループでの滞在、キッチンや庭がある宿泊先での滞在などを提案するとともに、柔軟なキャンセルに対応しステイケーション(自宅近くでの滞在)のニーズに合わせた宿泊先も用意する。第2弾は、「直ぐそばにある夢のバケーション」をテーマに人気のリスティングやユニークな宿泊先を提案。第3弾以降は今後順次公開していく。

報道資料よりさらに、キャンペーンではコロナ禍で開始したオンライン体験の訴求も強めていく方針。田邉氏は、「4月上旬から始めたが、すでに5万席が予約され、5つ星レビューが96%に上っている。日本語で参加できるコンテンツも増えており、それに合わせて日本人の利用者も増加している」と説明。カテゴリー別では、フード、カルチャー&ヒストリー、スポーツ&ウェルネスの人気が高く、日本では「オンライン瞑想」、「日本酒入門」、「バーチャル東京観光」などの予約が伸びているという。

このほか、同社はコロナ禍で高まる公衆衛生へのニーズを踏まえて、宿泊先の「清掃ガイドライン」を策定した。ホストに向けて、清掃の基準や手順をチェックリストで紹介しているほか、清掃強化プログラムへの参加を表明したホストには、リスティングページに特別なバッジを表示する。一方、ゲストに対しては、衛生基準を満たした宿泊先を検索できる仕組みも導入した。

さらに、ヘルプセンターでは、国ごとに公的機関が発出している最新の公衆衛生情報も提供することで、「より詳細で効果的な清掃ガイドラインを求める声に応えていく」(ホームシェアリング事業統括本部長 森厚雄氏)。

予約傾向から新しい旅行スタイルの兆候

田邉氏は、直近の予約状況も紹介。6月7日~13日の日本国内の予約数は前年同期比で78%増加し、特に夏休み期間となる1~2ヶ月先の予約が先月との比較で303%の伸びを示しているという。また、約1時間半のドライブ圏内(80km以内)の予約が前年同期比で約1.6倍に増加している。

さらに、一軒家やマンション・アパートの貸し切りタイプの予約が全体の約80%を占め、28泊以上の長期滞在予約も約1.57倍に増加している。アメニティ・設備検索を見ると、キッチン付き、WiFi付き、敷地内無料駐車場、洗濯機付きなどが上位を占めているという。

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