島根県出雲市、「旅先納税」を導入、返礼品にアプリ不要のデジタル商品券、JALもキャンペーン展開

島根県出雲市が「旅先納税」を開始した。山陰地方では初めて、ギフティ社が展開するeギフトプラットフォームを採用するもので、 全国では30番目の導入自治体となる。今回は、2022年11月に業務提携を行なったJALも旅行者への告知やPRなどで参画する。

「旅先納税」は、ふるさと納税の返礼品としてギフティ「e街プラットフォーム」を通じ、現地で使える電子商品券を発行するもの。寄附サイトにアクセスし、納税者情報を登録、クレジットカード決済で納税完了し、電子商品券が発行される。最大の特徴は、旅先から気軽に寄付が可能となること。出雲市では「いずもe街ギフト」として展開する。

「いずもe街ギフト」へは市内の飲食店・宿泊施設をはじめ53店舗(2023年7月18日時点)が参加。寄附額に応じて、1500円から30万円まで全8券種が返礼される。受け取り・利用の際には、アプリなどのダウンロードは必要なく、加盟店での会計時に1円単位で利用することが可能だ。

加盟店では、利用者のスマートフォンで「いずもe街ギフト」の二次元コード読み取り画面から、事前に店舗に設置された二次元コードを読み取った後、使用金額を入力・確定し、加盟店に支払い完了画面を提示することで支払いが完了する。

出雲市の飯塚俊之市長は、発表会見で「ふるさと納税に縁のなかった人でも簡単に利用できることから、旅先で気軽に利用できるこの仕組みは、さらに伸びていくと思っている」と話し、市内での消費額拡大に期待を寄せるとともに、加盟店の増加に注力していく考えも示した。

また、ギフティ常務執⾏役員の森悟朗氏は「旅先納税は、新たな地方創生につながるもの。交流人口を増やす街づくりの一助になれれば」と意欲を示した。2021年の出雲市への観光入込数は約853万人。出雲市は縁結びのまちとして知られており、若者層の旅行者が多いことから、「デジタル返礼品との親和性は高い」と付け加えた。

このほか、旅先納税参加者のIDを管理していることから、参画自治体間で相互送客する仕組みを構築していく計画も明らかにした。

JAL⼭陰⽀店⻑の棚橋学氏は「旅先納税では、ふるさと納税では恩恵のなかった観光・サービス業への貢献が期待できる」とコメント。JALでは、出雲縁結び空港や機内で「旅先納税」の告知やPRを実施するほか、「JALふるさとプロジェクト」の一環として展開している「旅先納税キャンペーン」でも訴求を高めていく。

(左から)ギフティ森氏、飯塚出雲市長、JAL棚橋氏。

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