観光庁、オーバーツーリズム防止へ公募開始、1月25日から、地域の実情に応じた対策を支援

観光庁は、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」について事業者向けの説明会を開いた。

政府は2023年10月、「オーバーツーリズム対策パッケージ」を観光立国推進閣僚会議で決定。過度の混雑やマナー違反への対応、地方部への誘客促進、地域住民と協働した観光振興の3本柱で総合的な支援を実施していくことを決めた。観光客の受け入れと地域住民の生活の質を両立しつつ、持続可能な観光地域づくりを実現していくために、地域自身があるべき姿を描き、地域の実情に応じた具体策を実施することに対して総合的な支援を行う。

補助対象事業は需要の適切な管理、観光客の分散・平準化など

具体的には、地方公共団体が中心となった地域と連携した先駆モデルの創出、地域の観光関係者が連携して実施する面的な取り組みを支援する。観光庁では、地域によって取り組みや目標は異なることから、趣旨に沿うようなものであれば、幅広く受け入れるとしている。

補助対象事業は、調査・分析、対策計画の策定、受入環境の整備・強化、需要の適切な管理、観光客の分散・平準化、マナー啓発、地域住民と協議した観光振興となる。

そのうえで、この事業では「先駆モデル地域型」と「一般型」に分けて、公募を行う。申請においては、申請主体者が作成する様式のほか、連携事業者が作成する様式の提出も必要。

申請は、観光庁が2月上旬に開設予定の特設サイトで行う。また、メールでも受け付ける。同一申請主体、同一内容でも、先駆モデル地域型、一般型の併願は可能だが、採択はいずれかになる。異なる取り組みの場合は、双方で採択を受けることは可能となる。

また、観光庁では2次公募も予定している。

先駆モデル地域型、横展開可能なモデル創出へ

先駆モデル地域型では、地方公共団体を中心とした地域住民を含む関係者による協議の場において、計画に基づき取り組みを実施する事業が対象。オーバーツーリズムの未然防止・抑制体得として、先駆的であり、他地域に横展開可能なモデルの創出を目指す。

原則として複数のタイプにまたがる取り組みを対象とし、観光地として地域のあるべき姿に向けたビジョンの検討を行うもので、申請主体は地方公共団体となる。

さらに、この類型では「通常実施」と、申請時に協議の場で策定された具体的な対策計画をすでに有している場合の「先行実施」に分かれる。

協議の場については、申請主体である地方公共団体を中心とした協議会、あるいは申請主体である地方公共団体による個別の協議などの実施として定めた。

双方とも公募は1月25日から開始。締め切りは2月15日。3月中下旬ごろに順次採択地域が決定。通常実施では対策計画の申請は6月頃に行い、審査を経て、補助金を交付。2025年末までに事業を完了する必要がある。先行実施の場合は、対策計画の策定は必要ないため、補助金交付決定は通常実施よりも早まる見込み。

補助率は2/3で、補助上限は8000万円(補助対象経費上限1.2億円)。

一般型、防止と抑制への具体的な取り組み

一般型では、地域の観光関係者が連携し、未然防止・抑制を進めるために、具体的な取り組みを実施する地域が対象。一つまたは複数のタイプに関わる対策を対象とし、申請主体は、地方公共団体のほか、DMOや民間事業者なども含まれる。DMOや民間事業者の場合は、地方公共団体の連携の同意が必要となる。

公募は同じく1月15日から開始。締め切りは2月15日。有識者の審査を経て、3月中旬頃に採択し、3月中下旬頃に交付が決定される。2025年2月末までに事業完了を完了する必要がある。

補助率は1/2で、補助上限は5000万円(補助対象経費上限1億円)。

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