沖縄県内のインバウンド動向を市町村単位で可視化、「いつ、どこに、どこから」がわかる人流データ

沖縄観光コンベンションビューロー（OCVB）は2025年5月29日、沖縄県における観光客の人流データを分析できる「おきなわ観光地域カルテ」サイト内に、インバウンド人流分析（検証版）を公開した。市町村単位での訪日外国人動向のオープンデータ化は、国内で初めて。OCVBは、地域ごとのインバウンド戦略立案に活用してもらいたいとしている。

今回、沖縄県を訪れる訪日外国人旅行者の人流を、「いつ、どこに、どのくらい、どの地理圏／国・地域から」訪れているのかという観点から、市町村単位で可視化した。これまでは沖縄県の訪日外国人旅行者の動向は県全体の分析にとどまる場合が多く、市町村単位の詳細な傾向を把握することが困難だったのに加え、国内線などを利用して沖縄を訪れる人を国・地域別の情報まで把握することができないという課題もあった。

インバウンド人流分析（検証版）では、訪日外国人旅行者を市町村別に来訪者数、発地、別に可視化。毎月5日前後に、3カ月前のデータを公開する。データについては、ブログウォッチャー社が提供する「おでかけウォッチャー（訪日版）」を使用。スマホアプリ使用者から許諾を得て取得したGPS位置情報を使用し、日本政府観光局（JNTO）の訪日外客統計の年月・国籍別訪日外客数（推定値）を用いて拡大推計した。

「いつ、どれくらい来ているか」については、市町村ごとに来訪者数やシェア率を可視化。沖縄県全体の平均と比較することで地域ごとの傾向や変化を把握することができる。市町村で位置情報ログが連続して2回以上連続して記録された場合に「滞在があった」として集計している。「どこから来ているか」の発地分析は、地理圏、国・地域別に訪問者数の構成比や来訪者数を把握できる。

インバウンド人流分析（検証版）

国内人流データと比較すると、位置情報の取得スポットの設定や網羅性の面で一部課題が残っていることから「検証版」と位置付けた。今後、ログ取得地点の最適化、公開範囲の拡張などの改善を進めながら、正式版として沖縄観光地域カルテへの統合、データを共通言語とした持続可能な観光地経営の実現を目指す。