OTA「ホッパー(Hopper)」、旅行会社の顧客対応を支援する生成AIを立ち上げ、キャンセルや変更にも対応【外電】

米国で人気のOTA「ホッパー(Hopper)」のBtoB部門「HTS」は、旅行会社のカスタマーサポートを支援する生成AI「HTS Assist」を立ち上げた。このツールは、すでにSMBC(三井住友カード)やロッテカードなどHopper Technology Solutions(HTS)のパートナー企業で利用が開始され、サービスコスト低減を目指している。

同社は、グローバルでの成長を果たす戦略で、消費者向け事業は北米限定とし、それ以外の市場ではHTSによるBtoB展開を中核事業と位置付けている。日本での事業は、三井住友カードとともに、クレジットカード会員・V会員向けの旅行予約サイト「Vトリップ」を展開している。

HTSのAIソリューションおよびカスタマーエクスペリエンス担当シニアバイスプレジデントのジョ・ライ氏は、「航空会社や旅行会社は、旅行者の現状に合わせた対応をおこないながら、迅速な問題解決、顧客満足度の向上、コスト削減を実現できる」と自信を示す。

HTS Assistは、同社のエージェントが世界中の顧客と行った会話に基づいて学習しており、キャンセル、混乱、払い戻しなどあらゆる変更に対応する。

また、HTS Assistは200市場で30以上の言語に対応。HTSによると、カスタマーサポートの段階で、アップセルやクロスセルの機会を見つけることも容易になり、利用パートナーに新たな収益源をもたらす可能性もあるという。

ホッパーの共同創業者でCEOのフレデリック・ラロンド氏は、「問題解決にかかる平均コストは1.12ドル。人間が対応する場合よりも4倍速く解決するため非常に効率的。オペレーションコストは最終的に92%削減される」と説明している。

ラロンド氏によると、HTS Assistは航空会社やレンタカー会社などの旅客システムに接続されているという。

このツールでは、AI単独でタスクを処理するが、特定の企業が「コンプライアンス上の理由から、(この処理は)人間が行う必要がある」と希望することもあることから、人間のエージェントに連絡することも可能とする。そのため、設計上、2~3つの異なるモデルが使用されることになるが、新しい技術のため、完全導入にはまだ時間がかかると見ている。

旅行とHTSの未来は

ホッパーでは、今後、商取引全般において大きな変化が起こると見ており、HTS Assistはその変化の一端と位置付けている。

ラロンド氏は「サービスこそがイノベーションの兆候を最初に目にする場所であることは明白だ。なぜなら、サービスこそが大きな課題だからだ。今後2、3年で旅行業界の商取引に大きな変化が訪れると予測している」と話した。HTSは今後、金融商品にもAIを活用していくことも視野に入れているという。

「ホッパーは長年ビッグデータ企業として、機械学習に注力してきた。現在、完全に自動生成された予測モデルを試し始めている」とラロンド氏。そのうえで、「そこで何が実現できるのか、私自身もまだわからないが、間違いなく旅行の選び方そのものが根本的に変わる」と続けた。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:HTS ADDS AI-POWERED SUPPORT TOOL FOR TRAVEL SELLERS


みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…