世界のタビナカ市場、2029年に3420億ドル(54兆円)規模に拡大、オンライン予約比率も43%に上昇予測 ―アライバル&フォーカスライト

タビナカの国際会議を主催するArival(アライバル)と旅行調査会社Phocuswright(フォーカスライト)は、「The Outlook for Travel Experiences 2019–2029」を発表した。このレポートはツアー・アクティビティ・アトラクション(タビナカ)市場の現状と今後の展望を調査したもの。

この発表に合わせて実施されたメディア・ブリーフィングで、フォーカスライト・マネージング・ディレクターのピート・コモー氏は、2025年の旅行業全体を俯瞰した。フォーカスライトでは、2025年の世界の旅行予約総額は前年比6%増の1兆9300億ドル(約303兆円)に伸長し、2027年には2兆1400億ドル(約336兆円)に成長すると予測。オンライン予約の割合も63%から67%に拡大すると見込んでいる。

地域別に見ると、2025年で最もオンライン予約額が多かったのは米国・カナダで3520億ドル(約55兆円)。次いでアジア太平洋が2970億ドル(約47兆円)。オンライン予約についてサプライヤーの直接販売(直販)とOTA経由の比率を見ると、世界では62%が直販、38%がOTA経由。欧州では鉄道と航空会社の直販システムが強力なことから、その比率は71%と非常に高くなっている一方、アジア太平洋は51%とOTA経由とほぼ同率となっている。

世界各地域のオンライン予約における直販とOTA経由の比率(報道資料より)そのなかで、現地でのタビナカ体験に参加する旅行者は年々増加している。フォーカスライトの調査では、2025年のその割合が9割に達した。特に若い世代でその傾向は強く、Z世代では96%、ミレニアル世代では97%、X世代では91%と高い割合となった。コモー氏は、「体験はもはや旅行者が目的地に到着してから予約するだけのものではなくなった」と話し、その特徴として、高い消費額、一般の旅行では難しい特別な体験への欲求を挙げた。

タビナカ市場でOTAの存在も高まる

アライバルCEOのダグラス・クインビー氏は、タビナカ市場の現状と展望について説明した。2025年のタビナカ市場規模は2710億ドル(約43兆円)に達すると予測。旅行業界では、航空と宿泊に次ぐ3番目に大きな市場になっているとした。

一方で、タビナカ業界でのデジタル化は遅れている。旅行全体ではオンライン予約は3分の2に達しているが、タビナカでのオンライン予約は3分の1。オフラインも含めた全体では、直販が25%、OTA経由は8%に過ぎない。

タビナカ市場でのオンライン予約比率(報道資料より)その理由として、クインビー氏は「オペレーターの断片化」を挙げる。「世界で100万社を超える事業者のうち、大多数は小規模企業あるいは零細企業。また、体験には美術館、グルメツアー、教室など多種多様で、旅行とは全く異なる組織が運営している。カスタマージャーニーも全く異なる」と指摘した。

それでも、タビナカ業界はオンラインへの対応を進めている。世界のタビナカ市場規模は2025年の2710億ドル(約43兆円)から2029年には3420億ドル(約54兆円)に拡大すると予測。そのなかで、オンライン予約の比率も33%から43%に上昇すると見ている。

タビナカ市場規模とオンラインシェアの予測(報道資料より)あわせて、今後、タビナカ市場におけるOTAの存在も高まると予想。その予約額は2025年の約200億ドル(約3.1兆円)から2029年には約400億ドル(約6.3兆円)に倍増すると見込む。

このほか、クインビー氏はスポーツやライブなどのイベントについても言及。「特に若い旅行者にとって、イベントツーリズムは大きく成長している。今後も旅行市場の牽引役になるだろう」と見通した。

一方で、イベントコンテンツのチケット流通は複雑なため、「旅行会社やOTAなどが、その流通プロセスにどれほどアクセスできるのか疑問が残る」と付け加えた。

※編集部注:この調査と予測は、米国・イスラエルによるイラン攻撃の発生前に実施されたものです。

※ドル円換算は1ドル157円でトラベルボイス編集部が算出

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

注目企業 セレクトSPONSORED

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…