主要レジャー施設の4割がチケット代を値上げ、テーマ―パークは半数超え、変動価格制の導入進む ―帝国データバンク

帝国データバンクが全国の主なレジャー施設のチケット料金動向について調査・分析した。それによると、2025年は約4割の施設が値上げし、ダイナミックプライシング(変動価格制)の導入・拡大などによりフリーパス料金の平均が5000円に迫っていることなどが明らかになった。調査は全国の遊園地・テーマパーク・動物園、水族館など192施設を対象に実施した。

フリーパスと一般券との差は3000円超える

2025年に入場料の値上げが判明した国内主要レジャー施設は37.4%にあたる71施設。2024年の37施設(19.5%)から1.9倍に増加した。特に、テーマパークでは100施設中、51施設が値上げし、初めて半数を超えた。入場料・フリーパス料金の最高額は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の「1デイ・スタジオ・パス(大人1名当たり)」の1万1900円。

発表資料より

また、価格改定前後のチケット料金をみると、種別や施設ジャンルによって傾向が分かれている。一般券(入場料)の平均価格は1695円(2024年は1626円)なのに対し、フリーパスの平均価格は4846円(同4597円)。フリーパスについてはゴールデンウイークや夏休みなどのハイシーズン、土日祝のダイナミックプライシングの導入が進む一方、一般券は価格を据え置く施設が多いことがあり、チケット種別間の料金格差が広がっている。また、動物園など運営事業者が市町村などの自治体・公営企業の場合は値上げ幅が少額にとどまっている。

発表資料より

需要平準化、混雑緩和を目的とした値上げも

帝国データバンクはこうした動向から、「ダイナミックプライシングの浸透や待ち時間の短縮など付加価値の高いチケット種別で上限価格を引き上げるなど、施設内の混雑緩和を目的とした値上げもある」と指摘。花火大会などコト消費の一部有料化、プレミアム化への動きが急速に進んでいる点にも言及したうえで、「全体では大規模な施設を中心にこれまでの客数=量から客単価=質を求める傾向が強まり、2026年以降も値上げの動きが続くものとみられる」と分析した。

一方で、特に若年層における高額な価格設定に対する来園意欲の減退や、価格に対する期待値とのズレから、コアなファンや既存顧客のリピート率が低下するといった動きもあるとし、「価格に見合う価値を来園者に提供できるかが、チケットの値上げを軸とした収益確保において重要となる」とした。

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