先週公表された米国政府の文書によると、米国は、ビザの超過滞在やパスポートの不正使用を防ぐために、出入国する外国人の追跡に顔認識技術の利用を拡大する見込みだ。2025年12月26日に発効する予定の新たな規制では、米国税関・国境警備局(CBP)は、空港、港、陸路の通過地点や出発地点で、外国人に顔写真の撮影を義務付けることができるようになる。
CBPはすでに、すべての民間航空機の入国審査に顔認証技術を導入しているが、一部の空港でのみ活用されている。
新たな規則では、米国当局が指紋やDNAといった他の生体認証情報の提出も義務付ける可能性があるという。また、現在は免除されている14歳未満の子どもと79歳以上の高齢者にも顔認識技術が用いられる。
顔認証技術の利用拡大については、監視団体がプライバシーの侵害、過剰な利用や誤認のリスクを懸念している。米国公民権委員会が2024年に発表した報告書によると、顔認証技術は黒人やその他のマイノリティを誤認する可能性が高いことが実験で示されている。
議会調査局は2023年当時、米国に不法滞在していた1100万人の移民のうち、約42%がビザの超過滞在者だったと推定している。
今後3~ 5年以内に、すべての民間空港および港湾の入国と出国の両方で、生体認証システムを完全に導入する見込みだ。
※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。



