ウーバーが楽天IDと連携、ユーザーに「楽天ポイント」還元、将来的にはAI活用の新サービスの開発も視野に

楽天グループとUber Japan(ウーバー・ジャパン)およびUber Eats Japan(ウーバー・イーツ・ジャパン)は、楽天IDの連携を皮切りに本格的に戦略的パートナーシップを推進する。楽天IDとの連携を通じて、楽天以外のサイトでもポイントをためることができる共通ポイントサービス「楽天ポイント(オンライン)」を導入。Uber Japanの配車サービスとUber Eats Japanのデリバリーサービスの利用で楽天ポイントをためることができるようになる。

具体的には、UberあるいはUber Eatsいずれかのアプリで楽天IDを連携すると、連携後から両アプリの利用で200円(税抜)の支払いに対して1ポイントの楽天ポイントを貯めることが可能になる。また、キャッシュレス決済「楽天ペイ」で利用代金の支払いをすると、支払い金額に対して最大1.5%の楽天ポイントを還元。楽天ポイント(オンライン)と併せて利用すると、支払い金額に対して最大2%の「楽天ポイント」が還元されることになる。

また、楽天IDとの連携によって、Uberは楽天ポイントを通じた会員データを活用し、ユーザーの利用傾向に合わせたレコメンドやキャンペーン配信の最適化が可能になる。

データ活用と各種サービス連携で様々な可能性

発表の記者会見で、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は「この提携は第一歩。今後さらにウーバーと楽天AI、そして楽天経済圏を掛け合わせながら、さまざまな可能性を広げていく」と語った。

その一例として、データ活用による観光促進を挙げ、「観光客の趣味趣向や交通情報に合わせて、最適な観光スポットを提案することもできるようになる。また、『楽天ぐるなび』との連携で、好みのレストランの紹介やそのレストランからのデリバリーなども考えていきたい」と続けた。

Uber Technologiesのダラ・コスロシャヒCEOは、石川県加賀市での移動課題への取り組み(公共ライドシェア)について触れたうえで、「楽天との提携は、その取り組みを日本全国に広めていくことにつながる」と言及。日本の物価高についても触れ、「この協業モデルは、日常をより便利に、より価値あるものに、よりシームレスにするとともに、生活者の負担軽減にもつながるものになる」と自信を示した。

(左から)Uber Japan中山氏、Uber Eats Japan代表のユリア・ブロヴキナ氏、 UberコスロシャヒCEO、楽天三木谷会長兼社長、楽天ペイメント小林氏2社の連携でデータ蓄積、サービス最適化で相乗効果

Uberは、2025年12月15日に日本で全国47都道府県で利用可能となる。現在、提携するタクシー事業者は約1000社。Uberタクシーは3年連続で前年比で約2倍の成長を続けているという。そのUberが、1億超のIDを顧客基盤として持ち、70以上のサービスを展開する楽天経済圏と連携することで相乗効果を狙う。

Uber Japan代表の中山志郎氏は、「楽天経済圏とUberのデリバリーとモビリティのプラットフォームがつながることで、ユーザーに向けて中長期的に新たな価値をつくることができる」と語った。

また、楽天グループ執行役員営業第三本部長の十川裕樹氏は、今後の展開について「楽天AIを活用した新しいサービスの開発を2社でおこないたい」と意欲を示した。さらに、「楽天ポイント」オンラインを運営する楽天ペイメント社長の小林重信氏は「両社の連携によって、日々データが蓄積されていく。楽天としては、楽天AIを駆使しながら、ユーザーにフィットするサービスの提供や新たなサービスの開発に役立てられる」と期待感を表した。

なお、両社の連携開始に合わせて、2025年12月12日~22日かけて、「Uber 楽天ID連携で最大1000ポイントプレゼント」キャンペーンを実施する。また、現在実施中の楽天モバイル契約キャンペーンでは、対象店舗として新たにUberとUber Eatsが加わる。さらに、楽天IDを連携した「Uber One」の月額会員には、年間プラン(3998円)を70%オフの特別価格で提供する。

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