ハワイで新たに導入される観光税、クルーズ客への適用で業界団体が訴訟、州と郡による徴税の差し止めを求める

クルーズライン国際協会(CLA)は、米ハワイ州が環境対策としてクルーズ客にも観光税を導入することについて、ホノルル連邦裁判所に異議申し立ての訴訟を起こした。

ハワイ州のジョシュ・グリーン知事は2025年5月、全米初となる環境対策を目的とした徴税法案に署名。ホテルなどのほか、クルーズ船も対象となった。来年から、クルーズ客が支払う運賃総額に新たに11%の税を課す。税額は、クルーズ船が港に停泊している日数に応じて課税される。この法律では、各郡がさらに3%の割増金を徴収する権限が与えらていることから、最高14%の税率になる可能性がある。

CLAの弁護士は、「他の州では、同様な税金を課しているところはない。合衆国の航行可能な水域は共通の資源であり、個々の州が独自の収益獲得のために徴税すべきものではない。それは建国以来の基本原則だ」と主張。係争中の間、州と郡によるクルーズ船からの徴税を差し止めるように裁判所に求めた。

訴状によると、クルーズ船は年間約30万人の観光客をハワイに運び、州内で数千件の雇用を支え、年間6億ドル(約882億円)以上の経済効果を生み出している。そのうえで、高額な税金によって、ハワイはクルーズ先として選ばれなくなる可能性があると警告した。

さらに、クルーズ船の乗客は通常、旅行の計画をかなり前から立てるため、裁判官に迅速な行動を求めた。審理は今年10月31日に予定されている。

さらに新法では、ホテルおよびバケーションレンタル(民泊)の宿泊税も現行の税率10.25%から11%に引き上げられる。各郡による3%の付加税、州と郡の一般物品税4.712%とあわせると税率は約19%になる見通しだ。

※本記事は、AP通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

※ドル円換算は1ドル147円でトラベルボイス編集部が算出

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…