インバウンド受入れへ意識調査、人手不足は実務者の不足が浮き彫りに、国の支援や観光インフラ整備などで将来的な課題感

日本旅行業協会(JATA)は、国内の観光事業者を対象に第4回「インバウンド旅行客受入れ拡大に向けた意識調査」のアンケート分析結果を公表した。調査期間は2025年7月1日~7月24日。

分析結果によると、インバウンド受け入れに肯定的な回答は、前回の44%から33%に11ポイント減少した。JATAでは、この傾向は、全体におけるインバウンド取扱い比率が上昇していることが一因と分析。インバウンドの「取扱いなし」の比率が27%から21%に減少していること、インバウンドに意欲的な事業者は、すでに取り扱いを開始していることから、結果的に肯定的な回答の減少につながっている可能性を指摘した。また、受け入れ予定がない理由については「人手不足や人材不足」が最も多い回答だった。

最大の課題は人手不足、不足する実務者

調査では、インバウンド観光客受け入れの課題を聞いている。

結果によると、いずれも人手不足・人材不足が最大の課題となった。その要因について、前回調査との比較すると「待遇の改善(44%から35%)」、「就職希望者が少ない(44%から33%)」、「労働環境の改善(29%から27%)」に減少が見られた一方、「経験者不足(24%から27%)」は上昇しており、実務者不足が浮き彫りになった。

人手・人材不足の職種については、「ドライバー・バスガイド」は、前回調査の58%から45%に減少した一方、「営業・販売」は39%から41%、「マーケティング・商品企画・造成」は22%から25%にそれぞれ上昇した。

一方で、インバウンド観光客受け入れの課題を時系列でみると、「人手不足や人材不足」の割合は前回調査よりも減少。対して、「オーバーツーリズム」に対する懸念は、現在、将来ともに前回調査を上回った。

国の支援、自治体の広域連携などで将来的懸念

過大では、将来的な懸念として国・自治体・地域全体で取り組む課題があげられた。現在と将来の課題への回答で、大きく異なる項目は「国・政府の支援、官民連携(現在11%、将来29%)」、「自治体の広域連携の拡大(現在13%、将来27%)」、「観光インフラ整備(現在17%、将来23%)」だった。

今回の調査の回答数は、前回とほぼ同数の1161件。旅行会社(333件)と輸送業者(276件)の数が全体の55%。旅行・輸送・宿泊の3事業者の比率は第3回の75%から66%に減少し、より広い観光関連事業者からの回答が集まった。都道府県別では、東京都が最も多く266件。

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