
オープンAI(OpenAI)は、ChatGPTを第三者(サードパーティ)がより開発しやすい環境に進化させると発表した。OpenAIチャットボットをアプリシステムへと進化させ、エクスペディアとブッキング・ドットコムが、新しいプラットフォームを通じて、独自のインタラクティブ・アプリの提供を開始。旅行業界がChatGPTの新しい可能性の拡大に大きな役割を果たそうとしている。
今回の仕組みでは、ChatGPT内に外部アプリを直接統合する仕組みが導入され、ユーザーがチャットの中で“エクスペディア”や“ブッキング・ドットコム”と入力すれば、それぞれの旅行サービスをChatGPT上で利用できる。
これにより、別途アプリをダウンロードしたり、サイトを開いたりせずに、ChatGPTの対話の中でホテル検索や料金確認などの操作ができるようになる。
OpenAIのサム・アルトマンCEOは、「これにより、インタラクティブで適応性に優れ、パーソナライズされた、チャットでやり取りできる新世代のアプリが実現する」と述べている。
エクスペディアによると、これはプラットフォーム上での旅行計画をChatGPTから開始できることを意味するという。追加のダウンロードは不要で、条件に合う具体的な選択肢を提示してくれる。トリガーとなるキーワードは企業名だ。
具体的には、エクスペディアは、ユーザーに対して、「旅行関連の質問を“エクスペディア”という言葉で開始すると、料金情報、インタラクティブな地図、パーソナライズされた旅行のおすすめが表示されます」と案内している。
例えば、典型的なクエリは「”エクスペディア”で、来月泊まれるニューヨークの1泊400ドル未満のホテルを検索」だ。
ブッキング・ドットコムも、例として「”ブッキング・ドットコム”で、11月3日から5日までマイアミビーチでプール付きのホテルを検索」を挙げている。
エクスペディアグループの戦略パートナーシップ担当バイスプレジデント、クレイトン・ネルソン氏は、観光産業ニュース「スキフト(Skift)」の取材に対して、「我々は、自然言語検索とインテリジェントAIエージェントの時代を迎えており、人々の旅行の夢、計画、そして体験を変革していく。会話型AIとエクスペディアブランドの強みを融合させることで、世界中の旅行者により直感的でパーソナライズされた、シームレスな旅を提案していく」と話した。
ChatGPTの「エクスペディアアプリ」と「ブッキングアプリ」は、OpenAIの発表と同時にリリースされた。
OpenAIは、これまで独立したインタラクティブアプリへの展開を試みていた。しかし、今回の新たな取り組みでは、アプリをチャットに直接組み込むことができることから、普及に向けた重要なステップとなる可能性がある。
今後、ウーバーなどもChatGPT上での提供を準備しているという。
※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」 から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事: ChatGPT Travel Apps Are Now a Thing – Starting with Booking.com and Expedia
著者:Adriana Lee氏