今年のツーリズムEXPO、予定通り沖縄で開催、テーマ変更や規模縮小も「需要回復の加速」と「安全なイベントのモデル」を目指して

日本旅行業協会(JATA)は2020年6月19日の定例会見で、初の沖縄開催となる今年の「ツーリズムEXPOジャパン(TEJ)」について、当初の日程通り10月29日~11月1日まで、沖縄コンベンションセンターをメイン会場に開催すると発表した。先週のTEJ実行委員会で、感染防止の安全対策を行なった上で、一部変更して開催することを決定した。

新型コロナウイルス(COVID-19)による移動の規制や自粛は緩和傾向にあるが、国際的な往来の回復にはまだ時間を要すると見られており、世界からセラーとバイヤーが参加する同イベントへの影響を心配する声もあった。

JATA理事・事務局長の越智良典氏はTEJの開催時期が、国内各地での旅行促進策や夏に予定されるGo Toキャンペーンの開始後となり、市場回復を加速させるタイミングであることを説明。国際会議や展示商談会など一部に影響が生じる可能性に触れながらも、「こういう状況の中でしっかり開催することが大きな流れをつくる。価値あるイベントになる」と、開催の意義を強調した。

JATA理事・事務局長の越智良典氏

変更点は3つ。

1つは開催趣旨と名称。世界のリゾートを集める「リゾート展 in 沖縄」から、今年のTEJを機に日本と世界の様々な地域が元気になる「観光産業と地域の復活の機会」、「国際交流復活の契機」のイベントとし、名称を「旅の祭典 in 沖縄」に変更する。

2つ目は、国際会議のTEJ観光大臣会合。招待状は送付するが、物理的に来場が難しい国地域の場合には、在日大使の参加などを想定。withコロナ、コロナ後の「次の時代の観光」などを、沖縄から世界に発信する機会とする。

3つ目は、安全対策。TEJでは日本展示会協会の作成したガイドラインに沿って独自のガイドラインを作成。さらに、このほど沖縄県が策定した旅行の安全・安心アクションプラン「沖縄 Tour Style With コロナ」とも連動する。TEJ推進室長の早坂学氏は「観光系の大イベントの開催は(コロナ発生後で)初になる、安心安全のイベントを作り上げ、そのモデルを示す」と説明した。

TEJ推進室長の早坂学氏

一方で、開催規模は若干縮小。密を避ける対策で、当初の600小間から450小間とし、商談バイヤー130人を想定する。入場管理も行ない、来場数は2万7000人を目標とした。特に海外からの出展に影響があり、17か国地域から150の申込があった小間数が80位になると想定。ただし、キャンセルがあっても新規申し込みや拡張もあるとし、出展申し込み期日を7月31日までに延長した。

東京開催は年明けに延期

9月に開催予定としていた「TEJ東京商談会/トラベルフェスタ」は、入国制限による海外からの来日・出展への影響や運営準備の課題を踏まえ、日程を変更。2021年1月7日~1月9日の年明けに開催する。会場も東京ビッグサイト西展示場の1・3・4ホールへ変更。出展小間数は900、商談会のバイヤーは250人、来場者数は業界日5000人、一般日2万人を目標に、感染予防を目的とする入場管理のもとに実施する。出展申し込み期日も9月18日までに延長する。

なお、開催にあたっては沖縄・東京とも感染防止対策として、サーモグラフィーによる来場者の検温チェックから消毒液・消毒マットの設置、来場者のマスク着用義務、商談時の飛沫感染防止などを実施。運営面では、来場者の健康チェックシートの提出義務や空間を確保した待機列、密を避けるブース配置や運営の徹底等に加え、一般来場者の時間指定登録制の導入も検討するという。

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